退職後の住民税は、原則として納付書で自分で支払う「普通徴収」に切り替わります。ただし、退職する時期や再就職の有無によっては、最後の給与や退職金から一括で天引きされたり、転職先の給与から引き続き天引きされたりします。
退職後の住民税の主な支払い方法
退職後の支払い方法は、主に次の3つです。
| 支払い方法 | どのような場合か | 支払い方 |
|---|---|---|
| 普通徴収 | 退職後、勤務先からの天引きがなくなる場合 | 自治体から届く納付書などで自分で支払う |
| 一括徴収 | 退職時に、残りの住民税を給与や退職金からまとめて天引きできる場合 | 退職する勤務先が給与などから一括で差し引く |
| 特別徴収の継続 | 退職後すぐに再就職し、手続きをした場合 | 転職先の給与から天引きする |
どの方法になるかは、退職日、残っている住民税の額、再就職の時期、勤務先と自治体の手続きによって決まります。
納付書で支払う「普通徴収」への切り替え
退職後に給与から住民税が天引きされなくなると、自治体から納付書が送られ、普通徴収で支払うのが一般的です。
納付書は、退職した勤務先から自治体へ異動の届け出が行われた後に送られます。届いた納付書に記載された期限までに、金融機関、コンビニエンスストア、自治体の窓口などで支払います。対応している支払い場所や、スマートフォン決済などの利用可否は自治体によって異なります。
納付書が届かない場合でも、住民税が免除されたとは限りません。退職した勤務先や、住民税を課税している市区町村に、納付状況と今後の支払い方法を確認してください。
退職時に残りを一括で支払う場合
退職時には、給与から天引きできていない住民税を、最後の給与や退職金から一括徴収することがあります。
1月1日から5月31日までに退職する場合
この時期に退職する場合は、原則として、5月分までの住民税の残額を最後の給与や退職金から一括徴収します。
ただし、最後の給与や退職金の額が住民税の残額を下回るなど、一括徴収ができない場合は、普通徴収に切り替わることがあります。
6月1日から12月31日までに退職する場合
この時期に退職する場合は、本人が希望すれば、翌年5月分までの残額を最後の給与や退職金から一括徴収できる場合があります。
一括徴収を希望しない場合や、一括徴収の手続きが取られない場合は、残りの住民税を普通徴収で支払います。
再就職した場合は転職先の給与から支払える
退職後にすぐ再就職する場合は、転職先で住民税の特別徴収を続けられることがあります。特別徴収とは、勤務先が毎月の給与から住民税を天引きし、本人に代わって自治体へ納める方法です。
ただし、前の勤務先、転職先、自治体の間で所定の手続きが必要です。手続きが間に合わない場合は、いったん普通徴収の納付書で支払い、その後に転職先の給与天引きへ変更することもあります。
転職先での給与天引きを希望する場合は、入社後に給与担当者へ次の点を伝えて確認します。
- 前の勤務先で住民税を特別徴収していたこと
- 住民税の納付書が届いているか
- 残りの住民税を転職先の給与から天引きできるか
- 切り替えまでに自分で支払う納付分があるか
退職後も住民税の支払いが必要な理由
住民税は、原則として前年の所得をもとに計算され、翌年度に支払います。そのため、退職して現在の収入がなくても、前年に給与収入があれば、退職後に住民税の支払いが発生することがあります。
たとえば、2026年の途中で退職した場合でも、2025年の所得をもとに計算された住民税の残額は、原則として支払う必要があります。また、2026年1月から退職日までに得た所得をもとに計算される住民税は、通常、2027年度に課税されます。
したがって、退職後は「今の収入がないから住民税も発生しない」とは限りません。退職後に届く納付書だけでなく、翌年度に届く住民税の通知にも注意が必要です。
退職後の住民税を支払う手順
- 退職前に、最後の給与から住民税がいくら天引きされるかを給与担当者へ確認します。
- 一括徴収になるのか、普通徴収へ切り替わるのかを確認します。
- 退職後に自治体から納付書が届いたら、対象年度、納付額、納期限を確認します。
- 納付書に記載された方法で、各納期限までに支払います。
- 再就職した場合は、転職先で特別徴収へ切り替えられるかを給与担当者へ確認します。
納付書をなくした場合や、納期限を過ぎてしまった場合は、納付書を発行した市区町村へ連絡してください。放置すると、督促状の送付や延滞金が発生する可能性があります。
退職後に住民税を払えないときの確認先
退職後に納付が難しい場合は、納期限前に、住民税を課税している市区町村の税担当窓口へ相談してください。分割納付などの相談ができる場合がありますが、対応や条件は自治体ごとに異なります。
失業したことだけで、住民税が自動的に免除されるわけではありません。減免や納付相談の対象になるかは、退職理由、所得、世帯の状況、自治体の制度などによって判断されます。
退職後の住民税で最初に確認すること
まずは、退職する勤務先に「残りの住民税は一括徴収か、普通徴収か」を確認してください。普通徴収になった場合は、自治体から届く納付書の納期限を確認し、再就職した場合は転職先で給与天引きへ切り替えられるかを相談します。
退職後の住民税は、退職時期と前年の所得によって支払額や支払い方法が変わります。納付書が届かない場合や支払いが難しい場合も、自己判断で放置せず、勤務先または自治体の税担当窓口へ確認することが大切です。







